「はなれ」としてのリビングルーム
広さを感じる敷地に建つ住宅である。ゆえに、建物だけを主張するのではなく、敷地全体をコーディネートしたい。そのために、まず設定されたのが、渡り廊下でつなぐ「はなれ」として敷地中央に配されたリビングルームである。外界と一線を画すような ゆったりとした気持ちで過ごしたいというクライアントの希望を読み解いたものである。敷地において、もっともプライバシーの深度を持つ場である。ここを中心に計画を組み立てていった。リビングまでの動線は、玄関から洗面・クローゼットを経由する。ここで手を洗い、ルームウェアに着替える。この動線がいい。また、リビングルームは寝室などのプライベートスペースからも独立し、光・風・景観などの外部環境を存分に感じられる。まさしく、中心としての「はなれ」である。
内部と外部が連続する空間構成
アーティスティックな建物の周りに、数多くの緑が用意されている。造園家とのコラボレーションで完成したこの住宅は、どこでも開放感にあふれ、一体感が満喫できるものとなっているが、中でもリビングルームは秀逸だ。南北のサッシを大きく開くことで、両側にシマトネリコ・ナツハゼを中心とした木々を一日じゅう愉しむことができる。また、西側は あえて窓を設けないことにより「象徴的なバックウォール」となった。ここに隣接するエゴノキの影が映りこむ。影は時間とともに動き、豊かな表現を示す・・・計算された効果である。まさに、市街地に生まれた緑園・・・「緑・想・居」とは、そんな空間全体をイメージしたネーミングである。
作品名 | house-ov |
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構造 | 木造 |
ジャンル | 戸建住宅 |
予算帯 | 2,000万~3,000万 |
建築の形体 | 新築 |
竣工年 | 2010年 |
所在地 | 静岡県 |
構造設計 | 久保田正一建築研究所 |
ロケーション | 郊外 |
施工者 | 久保田建設株式会社 |